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Certificat Complémentaire de Protection
特許部門 - バイオ・化学

Unitary SPC 単一の補充的保護証明書:新たな知的財産権の到来?

翻訳 : 竹下敦也

This article is also available in English.

2022年1月、UP/UPC(単一特許・統一特許裁判所)は発効に向けて大きなステップを進めたところであるが、SPC(補充的保護証明書)の新たな単一制度の到来も求められている。

2020年11月25日、欧州委員会は、知的財産に関する新行動計画を発表した[1]
この計画の目的の1つは、特に既存のシステムを近代化し、その複雑さを軽減することによって、知的財産権の保護を改善することである。欧州委員会は、統一された補充的保護証明書(SPC)の付与制度と単一権利の創設の可能性を検討している。

SPCは国別の権利である。そのため、欧州連合(EU)の領域全体で保護を受けるためには、各加盟国の国内官庁にSPC申請を行わなければならず、負担の大きいプロセスとなっている。

すべてのEU諸国において、SPCを取得するための条件は、同じ規則(EC) No.469/2009(医薬品の場合)および(EC) No.1610/96(植物保護製品の場合)によって規定されている。しかし、実務上は、これらの規則の適用は異なっており、例えば、付与手続き、審査期間、SPCの有効期限などについて、加盟国ごとに相違がある[2] 。また、審査の結果が国によって異なることもあり、法的な不確実性が生じる可能性がある。

例えば、フランスでは「エゼチミブ+アトルバスタチン」という組み合わせでSPCの申請が却下されたが、ベルギーでは同じ組み合わせでSPCが付与された[3]

さらに、医療機器のような革新的な技術に基づく健康関連の製品に関しても、加盟国間で相違や不確実性が残っている。例えば、デンマーク、フランス、イタリア、ポーランド、ポルトガル、スペイン、英国の特許庁は、医療機器はSPC規則の意味における製品ではないと考えているが、ドイツやオランダでは医療機器のSPCが付与されている[4]

また、第三者による情報提供(第三者異議)を考慮するかどうかについても、加盟国ごとに異なる。例えば、フランス法では、SPC申請に対する第三者異議を認めていないが、英国、ドイツ、デンマークの特許庁では認めている[5]

さらに、同じ欧州特許に基づくSPCの有効期限は、数日異なる場合がある。そのため、フランスのSPCはドイツのSPCよりも先に失効し、ドイツのSPCはギリシャのSPCよりも先に失効する。これにより、加盟国間に歪みが生じている。

Unitary SPC(単一SPC)は、EU内のSPCシステムを簡素化し、すべての加盟国間の整合性を確保する。
また、単一SPCは、近々発効する予定の単一特許・統一特許裁判所パッケージ制度(UP/UPC)に関連して、論理的な次のステップとなる可能性がある。

Plasseraud IP 特許部門のSPCチームは、この新しい権利のUnitary SPCの創設の可能性の進展を注視しており、この点に関する情報が入手可能になった場合には、皆様にお知らせします。

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[3] French patent office rejected the SPC application n°FR14C0068, considering that the claims of the basic patent did not relate necessarily and specifically to the combination ‘ezétimibe + atorvastatine’. In Belgium, this point was not raised during the proceedings of SPC n°2014C/056. 

[4] Table 18.7, Study on the Legal Aspects of Supplementary Protection Certificates in the EU, Final Report, Annexes I-VI, Mai 2018, München/Bruxelles

[5] Annex I, Study on the Legal Aspects of Supplementary Protection Certificates in the EU, Final Report, Annexes I-VI, Mai 2018, München/Bruxelles

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